連載笑説「タミー・ポッターと神社の石」

まじょりん先生、お手やわらかにね。
「新入生のタミー・ポッターです。皆さん、よろしくお願いします。」
この夏から魔法学校に通うことになった「タミー・ポッター」。
彼女は持ち前の明るさで街中に愛想笑いをふりまくのだった。



「飛行訓練・・・?」

魔法魔術学校「キャバワーツ」入学2日目。
タミー・ポッターの前にはホウキが用意された。
タミー「いよいよ飛行訓練ね・・・!!(ドキドキ)」
しかし単なる掃除の時間だと知ってがっくり。
「魔法でチョチョイのチョイじゃないの〜!?」

ホコリを立てるのなら得意よ〜!
空の上にも掘り出し物はあるのかしら。


「タミー・ポッターと近所の石」

タミー・ポッターは同じスパニエル組のユキーマイオニーという
女の子と友達になった。
「この近くに不老不死の不思議な力を持つ石がある」という噂を
聞いた二人は「ママへのお土産にしよう!!」と
こっそり寮を抜け出して探しに行くことにした。
ミルクはやっぱりユキ印♪
あたしはユキーマイオニーよ。
邪魔くさがりのママは「ユキ」って呼んでるわ。



「タミー・ポッターと神社の石(前編)」
消灯時刻が過ぎ、こっそり部屋を出ようとしたタミー・ポッターとユキーマイオニーは
ドアを出たところで同室のサク・ウィズリーに呼びとめられた。
サク・ウィズリー「こんな時間にどこへ行くの?」
タミー「えーっと・・・野の花を摘みに・・・」ユキーマイオニー「月のウサギと会話をしに・・・」
サク・ウィズリー「石を探しに行くんでしょ?お願い、私も連れてって〜!!」
彼女の家族は全員が魔法使いで、すでに同じ学校で学んでいる兄達から魔法を習っていた。
サク・ウィズリー「あたし、石のある場所、兄から聞いてだいたい知ってる。近くの神社よ。」

サク・ウィズリーが空から誘導する場所へ、まだ飛べないタミー・ポッターとユキーマイオニーは
走ってついて行った。タミー「すごーい♪サクちゃんてホウキなしで飛べるんだー!!」
神社に着いた3人は中に入ろうとするが・・・壁も何もないのにどうしても入ることができない。
サク・ウィズリー「魔法の力でブロックされてる・・・どうしよう・・・」
神社の中では狛犬(こまいぬ)が2匹、番犬をしていた。
彼らの警戒心を解き、油断した隙に入るしかない。
タミー・ポッター「いい事考えた!ユキちゃん、ちょっと耳貸して・・(ごしょごしょ)。。。」
タミー・ポッターの名案とは・・・?
夜中といえばお約束の、犬の遠吠えが聞こえていると思いねえ。

(注)後ろに見えるのは
魔法使いの学校の
「キャバワーツ」です。
決してイカではありません
念のため。。。(^^ゞ


「タミー・ポッターと神社の石(後編)」
二人はいきなり漫才を始めた。
「うちら陽気なスパニエル〜♪」「誰が呼んだか知らないが〜」
「ないすばでいな私達〜」「ゴージャス姉妹とはちと照れるぅ〜♪」
二人が懸命に持ちネタを披露して10分が経過したころ
「・・・えらい貧相なゴージャス姉妹やなあ〜〜(苦笑)・・・・」というツッコミと共に
神社の門が開いた。3人はいっきに神社に突入。
タミー「よっしゃーっ!」ユキ「行くでー!」サク「突撃ぃー!」
向こうに大きな丸い石が見える。年季の入った石は茶色く光っている。
タミー「あーっ。きっとこれよー!さっ、早くみっつに割って山分けしよ♪」
サク「ちょっと待って!!この石、何かしゃべってる・・・ニャーとかミャーとか・・・・」
一体いつの間に練習しとってん。



「タミー・ポッターと神社の猫(前編)」
タミー・ポッター「この石、猫なの・・・?」
サク「ニャンて言われても・・・ミャウリンガルないからわかんないよー!」
ユキーマイオニー「あたし・・・猫に変身して話してみる!」
うろ覚えの呪文でなんとか猫らしい(?)姿になって石と話をするユキーマイオニー。

「この石・・・じゃなくて猫はニャンベルドアという名前で、悪魔に呪いを
かけられて石にされてしまったんだって。
寝るのはもう飽きたから猫に戻りたい、この神社から出して欲しいって言ってる。」

タミー・ポッター「不老不死の力っていうのはデマなの・・・?」

「それはデマだけど、自分は14万年生きてるから長生きの秘訣なら教えてあげるって。」

タミー・ポッター「よし、決まりっ!!3人でこの石を運び出そう!!」
5キロ以上はありそうな重い石を抱えて3人は神社を出た。
ユキちゃん元の姿にちゃんと戻れるのかな?

猫に変身したユキーマイオニー。
いまひとつ姿が不自然なのは
魔法が未熟だから・・・
ということにしておこう(汗)。
ヘタな絵ですんません(^^ゞ



「タミー・ポッターと神社の猫(後編)」
ユキーマイオニー「いやーん。後ろから狛犬が猛ダッシュで追いかけてくるー!!」
サク「みんなでいっせいにケロケロの呪文を唱えよう!大雨で匂いを消してその隙に逃げるのよ。せーのっ!!!」

「ゲロゲロゲロ・ゲ・ゲ・ゲッ♪」  「ケロニャン♪」
空からはバケツをひっくり返したような激しい雨が降ってきた。
カエルに変身した3人はカエル跳びをしながら学校への道を懸命に急ぐ。
タミー・ポッター「ちょっとサクちゃん、何で空を飛んで帰らないの!?」
サク「あたしのマントは兄のおさがりでボロいから雨風に弱くて使えないのよ!(T_T)」

逃げることに必死だった3人組は、猫のニャンベルドアがどうして自力でカエルに変身できたのか
ケロケロ呪文を知っていたのか、学校への近道を知っていたのかを疑問に思うゆとりがなかった。。。

やっと魔法を使えたタミー・ポッター(^^ゞ呪文を唱えるだけで、別にカエルにならなくてもいいのでは?



「タミー・ポッターの学園天国??」
「タミー・ポッター!ユキーマイオニー!サク・ウィズリー!職員室に来なさい!!」
3人組がずぶ濡れになりながら学校にたどり着くと、門の前でマクドナルコ副校長が
怒りで肩を震わせながら仁王立ちしていた。
マクドナルコ副校長は変身術の先生で、非常に厳格な性格の女性である。
「あなたがたの今夜の行動は全てお見通しです。門限破りをした者はは即刻退学です。
今すぐ荷物をまとめてこの寮を出て行きなさい!!
・・・・といいたいところですが、今回はニャンベルドア教授を救出したということに免じて
特別に軽い処分にしましょう。
処分が決まり次第ふくろう便で知らせますから、部屋にお戻りなさい。」
石から猫に戻ったニャンベルドア先生。

サク「そういえば私が空を飛んで神社に行ったとき、後ろからカラスがついて来てたけど・・・
あれは変身したマクドナルコ先生だったんだ!!」

タミー「ニャンベルドア教授って・・・???」
ユキ「もしかして・・・名簿に載ってたネコダス・ニャンベルドア校長!?」
サク「たみちゃん・・・あのとき石を三分割しなくて良かったねえ・・・」
翌朝3人のもとにふくろう便が届き、手紙にはこう書かれてあった。
「姉妹校にて半年間の強制労働を命じる。拒否すれば退学。」
タミー「姉妹校のMAHO学園?強制労働って何?雑巾がけ?」
ユキ「ホウキの張替え?マントの繕いもの?料理なんかできない〜〜!!」
サク「どうしよう・・・お兄ちゃん達にまた馬鹿にされる〜!!」
ニャンベルドア校長
「長生きの秘訣はじゃな・・・
毎日なーんにも考えず
食って寝ることじゃよ。」

タミー・ポッター
「なーんだつまんない!
ママいつもそうしてるよ。
それじゃほっといても充分
長生きするのね・・・。」



「タミー・ポッターの学園天国!!」
魔法魔術学校のキャバワーツから姉妹校に編入することになった3人組。
タミー・ポッターは学校に着いてからようやくとんでもない事実に気づいた。
「げっ。姉妹校だっていうからてっきり魔法学校のMAHO学園だと思ってたのに
よく見たらMAHOじゃなくてAHO学園だったわ・・・ここはお笑い道場・・・・。
どうしよう。お笑いなんて、あたしにはできない〜!!!」

サク・ウィズリーは落ち込んでいた。
「ひどい・・・あとの二人はともかく、何であたしがお笑い学校なの!?
あたしはただ不老不死の石を持ち帰ってママに喜んでもらってそのごほうびに
新しいローブを買ってもらいたかっただけなのに・・・もう家族の笑い者だわ。」


ユキーマイオニーは上機嫌だった。
「サクちゃん元気出して!!たみちゃんとあたしはどっちも天然のボケだから
サクちゃんのツッコミが必要だってニャンベルドア先生が推薦してくれたんじゃないの。
頑張ってお兄さん達を見返してやりましょう。さっ、練習、練習〜♪」

サク「ユキちゃんやけに張り切ってない・・・?」
タミー「大阪のお母さんに電話したらハッパかけられたらしいよ。お笑いでも何でもええ、
一流の芸人になってじゃんじゃん稼いで贅沢な暮らしさせてくれって。」
サク「わかったわ・・・あたしも頑張って、いつか中座の花になったる!!」
こうしてお笑い3人組の血のにじまない呑気な学園生活が始まった。

あぢゃー。
タミー・ポッターは目が悪かった。
「鼻はきくんだけど・・・。」



そんな妹見たことないない。
サク・ウィズリーの双子の兄達。
魔法学校の優秀な生徒。
帽子にSの頭文字をつけている
ところを見ると内心は応援している
らしい。


「タミー・ポッターの営業活動」
ボケボケツッコミのお笑い3人組はまたたく間に評判となり
3人は学園の外にもその活動範囲を広げて行った。
全国を営業して歩く3人の追っかけをする者まで現われ
3人は数多くのグランプリを獲得。
その年の下半期のお笑いや演芸の賞を総なめにした。

強制労働中のため現金そのものを手にすることはなかったが
3人は抱えきれないほどのトロフィーや賞状、賞品やプレゼントを土産に
それぞれの家に帰ってクリスマス休暇をすごすことになった。
電車でGO!
3人の舞台を見るために電車で駆けつけて下さった有り難い常連客さん達。



「ユキーマイオニーのクリスマス休暇」
大阪に戻ったユキーマイオニーを母は大喜びで迎えた。

これからは私がステージママをつとめると言い出し
調子に乗った母は「うちの子は顔も可愛いからモデルでもいける!!」と
ユキーマイオニーを早速美容室に連れて行き、プロのカメラマンに写真を撮らせた。

のちにユキーマイオニーは全身をツルツルに剃りあげた衝撃的な姿で
「ヘアレスヌード写真集」を出版し世間を驚かせた。
どこまで遊ぶねん。
運命に弄ばれるワタクシ。。。



「サク・ウィズリーのクリスマス休暇」
兄弟にたくさんのお土産を持って帰ったサク・ウィズリーを、心優しい母は暖かく迎えた。
今度こそ新しいローブを買ってもらえると期待したサク・ウィズリーだったが
いつも舞台用の衣裳を手作りしてくれていた母が手作りの楽しさにすっかりはまってしまい
「今度はママが安い生地で新しいローブを手作りしてあげるからね♪」と言い出し
またもや彼女の夢はかなえられなかった。

サク「こうなったら私が魔法で新しい素敵なローブを作ってみせる!!」と
通販で「ローブ製作キット」を購入したのだが・・・
微妙な調合を間違えてしまったのか、真夜中の12時の鐘とともにローブは
3匹のヒキガエルに戻ってしまった。「いや〜ん!!!!」
今夜のおかずにしたる〜!!!
やっぱり「made in AHOYA」の
商品はあかんわ〜〜!!!



「タミー・ポッターのクリスマス休暇」
タミーの母親のズボラー夫人は落胆していた。
魔法学校に行ったタミーがたくさん魔法を覚えて帰って
杖のひと振りで料理を作ったりお皿を洗ったり
ウィンクひとつで家具を移動したりできるようになると期待していたのに
魔法を全然覚えて帰ってこなかったからだ。

「チョチョイのチョイで部屋の掃除ができる魔法を覚えてきてほしかった・・・
上方演芸お笑い大賞受賞なんかどうでもいいから・・・
年末だっていうのに誰が大掃除するのよ〜!!!」

タミーが連れて帰った助っ人の猫の手は寝てばかりで全然役に立たず
みんなでゴロゴロしている間に年が明けてしまった。
猫の手でもいいって言ったでしょ。
なぜかタミー・ポッターの家に
居候することにした
ニャンベルドア教授。
石になっていた時と
たいして変わらなかった。



果たしてタミー・ポッターは来年こそは魔法を学ぶことができるのだろうか・・・・・・・??

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