連載笑説「タミー・ポッターと秘密の衣裳部屋」(前編)


登場人物(魔女)紹介

タミー・ポッター ユキーマイオニー・グレンジャー サク・ウィズリー
天然お気楽のほほん娘。
食う寝る遊ぶがすべて。
いつも陽気な浪花娘。
でも本当はびびりキャラ!?
涙もろいが立ち直りも早い元気娘。
新しいローブを買ってもらうのが夢。

注) 3人は全員、魔法魔術学校キャバワーツに通う魔女見習い。ローブとは魔法使いが使用する長いコートのこと。


「寝正月」
年末年始を食っちゃ寝食っちゃ寝して過ごしているタミーのところにユキーマイオニーからのふくろう便が届いた。
「明けましておめでとう!学校の宿題やった?たぶん、まだだと思うから一緒にやらない?」
2人は魔法図書館に行き、本を読み始めた。
ユキ「えーと、秘密の部屋は落雷とともに開かれる。洞窟の中にはふたつの部屋があり、ひとつは・・・」
タミー「えーっと、ズボラをするための魔法も、さすがに寝たままではできない、と。ふむふむ・・・」

そこへサク・ウィズリーからのふくろう便が2人に届いた。
ユキ「今朝サクちゃんも誘ったんだけど返事が来なかったの。風邪で寝てたのかあ。。。」
タミー「遊びにおいでって書いてあるよ。お見舞いに行く!?」

少し痩せちゃったみたい。。。 2人はサクの家を訪れた。

タミー「やっほー♪サクちゃん元気ィ?」
「ポカッ!!!」(ユキがタミーの頭をはたく音)
ユキ「バッカじゃない?元気じゃないから見舞いに来たんでしょ!?」

サク「まあまあ2人とも、こんなところに来てまで漫才しないでよ。
   あたしはもうすっかり元気になったんだから!!」
病み上がりサク。


「妹」
サク「それより紹介するわ。一番下の妹のコサクよ。」
コサク「初めまして!!あたし、コメディーワンワンワンの大ファンなの!!」
タミー「きゃー。可愛い〜〜!!!」
ユキ「サクちゃんにそっくり〜!!!」
サク「コサクは2人の大ファンで、ぜひ会いたいって言ってたから今日呼んだのよ。」
コサク「ユキお姉ちゃん、タミーお姉ちゃん、あとでサインちょーだいね!!」
タミー「うん、いいよ。ねえコサクちゃん、大きくなったらキャバワーツに行くの?」
コサク「うん。でもAHO学園にしようかなって言ったら、お兄ちゃん達にボコボコに殴られたの。どうしてかなあ?」
サク・ユキ・タミー「・・・・・・・・(絶句)。」
小熊じゃないのよ♪
コサクでちゅ♪


「魔女ナビ」
ウィズリー家オリジナルデザイン。

「魔女ナビ2002」
初期モデル。
町内地図と
アラーム音付き。

3人はサクの部屋でお茶を飲みお菓子を食べながら宿題を片付けた。
台所からはおいしそうな匂いが漂ってくる。思わず鼻をヒクヒクさせるタミー。
サク「うちで晩ご飯食べていってね!」ユキ&タミー「うん!!!」
そこへサクの母がひょっこり顔を出した。
「コサクがお友達の家に遊びに行ったきりまだ帰ってこないの。とっくにむこうの家を出たらしいんだけど・・・。サク、悪いけどちょっと見てきてくれない?」
3人は即座に宿題を放り出し「ガッテンだー!!」と外に飛び出した。

タミー「で、探すって何か心当たりあるの?」
サク「うん。ママから‘魔女ナビ’借りてきたからだいたいの場所はわかるよ。」
ユキ「‘魔女ナビ’って?」
サク「これが携帯用の魔女ナビよ。裏側に地図が出て、近くに魔女がいると音を鳴らして教えてくれるの。このあたりで魔法使いはうちだけだからすぐわかると思う。」


「迷探偵3人組」
そしてここはどこ!?

ユキーマイオニー
「コサクちゃんどこ?」

「犯人は岸壁に
追い詰めないとね。」

魔女ナビの地図を頼りにコサクを探し始めた3人だったが・・・・
タミー「ねえ、このあたりなの?○○町の1丁目から10丁目までって・・・
この地図ちょっと大ざっぱ過ぎない?これじゃ正確な位置がわかんないよ。」
ユキ「どのくらい近くまで来たら魔女ナビのアラームが鳴るの?」
サク「えーと。目で見えるくらいの場所まで来た時・・・。」
ユキ「それって・・・意味ないんじゃ・・・(汗)」

サクが大きなため息をついた。
「だから年末に最新型の魔女ナビ買おうって言ったのに・・・ママのケチぃ!!!」
タミーがポンとサクの肩をたたいた。
タミー「何を言うのサクちゃん、捜査の基本は足よ。足で稼ぐ(??)のよ!」
「そうよ。犯人は2時間以内に捕まるはず。」ドラマの見すぎのユキが言った。
「そうね。犯人は必ず現場に戻るって言うし。」ついサクまで乗ってしまった。
「それじゃ3手に分かれてコサクちゃんを探すのよ。聞き込み開始〜!!!」


「聞き込み開始!」
3人はそれぞれのやり方で聞き込みを開始した。
タミーはお茶犬マスコットに、ユキはミニーマウスに、サクは小鹿のバンビになって情報を集め
調子に乗った3人は、引き続きバーガー屋の店員、洋菓子店の売り子、芸者となってコサクの行方を捜査した。
お茶犬になりすまして
コンビニで聞き込みを・・・
ミニーマウスになって
ディズニーランドで聞き込みを・・・
小鹿のサクバンビに変身して
森の動物達から聞き込みを・・・
売れたらどうしよう。。 サクちゃんちってどこにあるのよ!? ワタクシ、怪しいものじゃありませんのよ♪
どくだみ茶のダミーです。
「いっしょにボーッとしょ?」

ユキーマウスです。
イベント広場に集まってね♪
小鳥さんたち、コサクを
見なかった?


ハンバーガー屋の店員になって・・・ 洋菓子店の売り子になって・・・ お座敷の芸者となって・・・
Mサイズはでっかいのよ。 分給いくらかしら? これがホンマの座敷犬。
「お飲み物はMサイズで
よろしいですか?」
「ドライアイスもおつけいたし
ましょうか?」
「咲奴(さくやっこ)でございます。
 どうぞごひいきに〜。」


「そして集合・・・」
3人は森の中に集まった。
タミー「どうやらこのあたりのようね。
サク「少し前までこのあたりで落雷があったらしいから、どこかに避難してるのかも知れないわ。」
話しているそばからあたりがどんどん暗くなり、稲妻が光った。
近くに落ちたらしくバリバリッという大きな音が響いた。

サク「キャー!!!!!怖いー!!!」   ユキ「ヤダー!!!助けてえ〜〜!!!」
タミーだけがポカンとしている。「・・・・ふたりとも、雷が怖いの?」
ユキ「たみちゃん、雷が平気なの!?」
タミー「あたしはほらっ、河童の屁だから!!」
ユキ「へっ!?」   サク「はぁ!?」   タミー「へぇ!?」
「ベシッ!!」「バコッ!!」(タミーとユキがサクにたたかれる音)
サク「それを言うなら屁のカッパでしょう!!あんた達もっと真面目に探してよ〜〜!!!!」
とうとうサクの雷が落ちた。思わず後ずさりする2人。
どっしーんという派手な音とともにタミーが尻餅をついた。「いったーい!!」
サク「何よ、ちょっとつついたくらいで大げさな・・・」   タミー「ち、違う、ここに落とし穴が・・・!」


「魔女ナビセンサー」
アゴ乗せっ!
穴の中をのぞきこむ
ユキーマイオニー
ユキ「ほんとだー。この穴けっこう深いよ。あたしなら中に入れそう。」
サク「どれどれ・・・」「あっ、わっ、わー!!!!」
穴の中をのぞきこんだ拍子にサクは手に持っていた魔女ナビを落としてしまった。
カターン、カターン、カタカタカタカタ・・・・・・。どんどん音が遠ざかっていく。
サク「やーん!どうしよう、ママに叱られる・・・」
PIPIPIPIPI・・・・穴の奥から発信音のような音が聞こえてくる。
タミー「・・・何?」
サク「魔女ナビだ・・・。魔女ナビが鳴ってる、中に魔女がいるんだ・・・。」
3人は顔を見合わせ、いっせいに同じ言葉を叫んだ。「中にはいってみよう!!」


「秘密の衣裳部屋」
いやーん。待ったわ。。。
お姉ちゃん助けてー。
あたし、もう動けない・・・・
お尻がつっかえて穴に入れなかったタミーのために
ユキが洞穴を広げる魔法の呪文を唱えた。「ユキーサキヒロゲヨー!!」
中は長い通路になっており、向こうに明るい光が見える。
発信音をたよりにサクは魔女ナビを見つけることができた。
目の前にはふたつのドアがあり、中から非常に明るい光がもれている。
3人はふたつのドアの前で立ち止まった。「どっちのドア・・・・?」

サク「コサクーッ、どこなの、いたら返事をしてー!!」
「お、お姉ちゃん・・・助けてー、あたしもうダメ・・・・」
小さくかすれたコサクの声が聞こえた。
「こっちだ!!」ドアを開け、部屋に入った3人の目に映ったものは・・・・


「コスプレの魔法」
部屋には数多くの照明器具があり、全身を映せる大きな鏡やカメラのレンズが置いてあって
床には色とりどりの洋服やかぶりもの、小物が数え切れないほど散乱していた。
その衣裳の上でコサクが力尽きたようにしゃがみこんでいる。

ユキ「こっ、これは・・・・秘密の魔法部屋だわ。」
タミー「なにそれ・・・?」
ユキ「この部屋にはコスプレの魔法がかかっていて、ここにあるすべての洋服を着てポーズをとって
記念写真を撮らないとここから出られないのよ。」
コサク「洋服とかぶりものと小物で何百種類もの組み合わせができるから、全部を撮らなきゃいけないの。」
タミー「なんて恐ろしい・・・・」
ユキ「さっ、早くここを出ましょう。あれ?サクちゃん・・・・?」

やった〜。念願のローブよ〜♪ 一人じゃ帯は締められないわ。 帽子も自分じゃかぶれない。 あんたらええかげんにせえよ。
キャー見て見て♪
なんて素敵なローブ!
サイズもぴったりよ〜!
バカッ。
そんなの着てる場合じゃ
ないでしょ!!
着たりかぶったり
してないで早く
ここから出るのよ!!
お姉ちゃん達って
・・・・・
ダメだこりゃ。

息もぴったり!  首の角度がミソ!! サク「2人でチェリーしてる場合じゃないわ!!」
コサク「そうよお姉ちゃん、はいポーズ!!」


ユキ「何カメラ目線やってんの。あたしはキュートな後姿よ♪」

笑顔作ってる場合でもないわ! タミー「あんたらはもう〜〜!!!!早くここを出ないと倒れちゃうわよ!!」

そう言うそばからタミーはティアラをかぶっていた。
タミー「ああもう〜〜!!!苦しい!頭が割れそうに痛い〜!!!!」
タミーは頭を抱えてその場にうずくまった・・・・。


後編へつづく