連載笑説「タミー・ポッターと素敵なプリンス」
「ひーっ。もう走れない・・・」 |
新学期が始まった。 タミー・ポッターは初日から遅刻寸前だった。 懸命に走るがとても間に合いそうもない。 「(ゼェゼェ ハァハァ・・・) ああもう、ママのあほんだらー!あたしよりも遅く起きるってどういうことよっ!! ダメだ、もう間に合わない、遅刻したら即退学だわ。。。。」 力尽きてへたり込むタミー・ポッターの前に1台のバスが止まり 車の中から若い男性が顔を出した。 |
運転手のナイト。 同じく朝寝坊していたユキ。 |
「ようこそナイト・バスへ!私は運転手の騎士(ナイト)。 こちらは魔法魔術学校キャバワーツ行き超特急バスです。」 運転手のナイトはタミーの手を取ってバスに乗せた。 「※★☆∴≠♂∇♯ξ★・・・!!!!!!」 タミー・ポッターは3秒で恋に落ちた。 「な、なんて素敵な人・・・・!!!!」 ナイト「揺れますからしっかりつかまっていて下さいね、タミー・ポッターさん。」 タミー「えっ!!どうして私の名前を!?」 ナイト「キャバワーツの中であなたの名前を知らない人はいませんよ。 あなたは特別な方なんです。(お笑い番組とかけっこう好きだし)」 タミー「・・・・・・・」 ナイト「あちらで相方(あいかた)がお待ちですよ。」 タミー「あ、あいかたぁ!?」 「やっほー♪」後の座席でユキーマイオニーがニコニコしながら手を振っている。 「なあんだユキちゃんかあ・・・・」 タミー・ポッターはユキーマイオニーの隣に腰をおろした。 「うふふっ♪なあんだユキちゃんかあ、のユキーマイオニーでーす!! ちょっとちょっと、見たわよ、たみちゃんてああいうのがタイプだったんだ。 目玉がハートの形になっててバレバレよ!!」」 |
空を飛べるサク・ウィズリー |
タミー「優しくてスリムで紳士で・・・私の周りには絶対いないタイプだわ♪」 ユキ「試してガッテン、まかせて安心、私も協力するわ!!」 タミー「えっ。その嘘ホント!?」 サク・ウィズリー「その話、私も乗ったーー!!!」 バスのつり皮が突然姿を変え、サク・ウィズリーが姿を現した。 ユキ&タミー「うわっ!びっくりした!!どっから湧いてきたの?」 サク「車輪につかまってずっと後をつけてきたの。」 ユキ&タミー「うそっ!!」 サク「ホントの嘘よ。様子を見にホウキで飛んできたの。」 |
サク・ウィズリー「ねえ今日午後から占いの授業があるでしょ。たみちゃんの恋の行方を占ってもらうのはどう?」 ユキーマイオニー「きゃー。それいい!!ぜひやってもらいましょー!」 サク・ウィズリー「ああなんだかワクワクしてきちゃったー!!」 タミー・ポッター「うわー。どきどきするわー。」 タミー・ポッターとユキーマイオニー、サク・ウィズリーの3人がぺちゃくちゃとおしゃべりをしている間に ナイト・バスは魔法魔術学校キャバワーツに無事到着し、3人は遅刻せずにすんだ。 ナイトに声をかけられてタミー・ポッターは完全に声がうわずっている。 |
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ナイト運転手「到着しましたよー。」 |
恋するタミー「あ、ありがとう、お陰で助かったわ♪」 |
始業式が始まったがニャンベルドア校長の話を3人組は全く聞いていなかった。 午後の占いの授業が終わり、帰ろうとしたドレドーレ先生をサク・ウィズリーが呼び止めた。 「んまあ!なんて可愛い!あたし、そういう話だあい好き!!!」話を聞いたドレドーレ先生は大乗り気。 「任せてちょうだい、あたしがその恋の行方を占ってあげるわ。」 水晶玉を取り出し「さあポッターさん、愛する彼の名前を3回唱えてちょうだい、心を込めてね。」 「素敵なナイト様、愛するナイト様、紳士のナイト様・・・」タミー・ポッターは真剣に唱える。 「あっ。何か見えた。」「どれどれ?」「なんか曇っててよく見えない・・・。」 ドレドーレ「どうやら入浴中のようですね。温泉かお風呂が好きな方のようです。」 「あっ。またなんか見えた。」「誰か一緒にいる。」「女?」 ドレドーレ「あ・・・今、彼は女性と真剣な表情で向き合って・・・・」 「む、向き合って?」「デート?」「別れ話?」「世間話?」 ドレドーレ「向き合って・・・・囲碁を打ってるみたいですね。」 「ドテッ!」「ガクッ!」「ゴチッ!!」 ユキ「お風呂に囲碁かあ。なんちゅうかその、渋いわね。」 サク「案外、たみちゃんとお似合いかも・・・。」 タミー「お風呂は嫌いだけど彼となら・・・キャッ!!」 サク「先生、それであの、2人の将来は・・・・?」 「どれどれ・・・2人の未来は・・・・」 ↓宇宙と交信中のドレドーレ先生。 「ポッターさん・・・あなたとの出会いは彼の人生を大きく変えることとなるでしょう。 それからあなたは近いうちに複数の人から強烈な愛を受けることになります。」 サク「えーーっ!何それ!?」 ユキ「たみちゃんモテモテやん!!」 タミー「あたしは何があってもナイト様ひとすじよ!」 サク「ちょっとたみちゃん、結婚式には呼んでね。」 ユキ「卒業前には婚約キャバリングの交換を・・・・きゃ〜きゃ〜!!!」 3人がワイワイ盛り上がりながら部屋に戻ると、そこには見たことのない女の子3人が立っていた。 タミー「だ、だれ・・・転校生?」 ↓(似てないけど)3姉妹 どれみ「あたしたち交換留学生です。」 おんぷ「今朝校長先生から紹介があったと思うんですけど・・・」 サク「そ、、そうそう、そうだった(全然記憶にないけど)、初めまして!」 ユキ「可愛いお洋服♪お揃いなのね。」 ぽっぷ「ママがいつも作ってくれるの。」 タミー「えーっ。いいなあ!洋裁ができるママって。」 ぽっぷ「ママ、元気でいるかなあ・・・・。」 どれみ「うん、きっと元気にしてるよ。」 タミー・サク・ユキ「え・・・・・・?」 その夜、タミー達は談話室にいた。 「ねえ、さっきのどれみちゃん達の話だけど。」 「ママとは一緒に住んでない、病気でも仕事に出てるのでもない、でも会えない場所にいる。」 「それってまるで・・・・」 「牢獄に入れられてるとか・・・・」 「ちょっと!あのどれみちゃん達のママが犯罪者なわけないでしょ!」 「だからよ!きっと何か事情があって閉じ込められてるとか・・・」 「ねえ、私達でどれみちゃん達のママを探し出さない?」 「よく言った!それでこそ我が校の生徒じゃ!!」 ↑談話室の郵便ポストに隠れて話を聞いていたニャンベルドア校長。 「うわっ!!見慣れないポストがあると思ったら校長先生だったの!?」 ニャンベルドア校長は狭いポストを出て、タミー達に話を始めた。 「あの子たちの母親は我が校の卒業生で、今年から家政科の講師として来てもらうつもりじゃった。 ところが昨年暮れにふくろう便を出したら母親は数ヶ月前から行方不明という返事が戻ってきた。 ワシは詳しい話を聞こうとあの子達を交換留学生という名目でここへ呼んだのじゃ。」 「そうだったの・・・・。」「それで?」「何かわかったの?」 「資料はここに用意してある。お前たちの今学期の課題は彼女たちの母親を探し出すこと。 それからこちらの動きを敵に悟られぬよう、誰にも話さぬこと。拒否すれば退学。わかったな。」 「えーーっ!!」「そんな一方的な!」「どんな相手かも全然わからないのに」 「か弱い私たちに何かあったらどうするのよ。」「そうよそうよ!」「魔法だってまだちゃんと習ってないし」 「案ずるな。お前たちにはちゃんとボディーガードをつけてあ・・・ありゃ・・・・???」 3人の姿はすでになかった。 「相変わらず人の話を聞かない奴らじゃ。まあいい・・・・くれぐれもあの子達の護衛を頼んだぞ。」 護衛「はっ。かしこまりました!」 |
司会進行役 サク・ウィズリー 書記 ユキーマイオニー・ グレンジャー その他(役職なし) タミー・ポッター |
「それでは今から作戦会議を始めます。 司会進行役は私、サク・ウィズリーが行います。 まずタイトルを決めましょう。 どれみちゃんおんぷちゃんぽっぷちゃんのママ救出大作戦!!」 「長い!!!」(ユキ) 「覚えられん!!!」(タミー) 「それではサクッと縮めて、どれみママ救出大作戦!」(サク) 「ねえ、どれみママってどんな顔してるの?」(タミー) 「ニャンベルドア校長が資料渡してくれたけど 昔の卒業アルバムじゃ若すぎるし・・・」(ユキ)」 「んじゃどれみちゃん達にそれとなく聞いてから モンタージュ写真を作りましょう。 失踪した当時の聞き込みもしなくちゃね。」(サク) 「何ヶ月もママが家にいないなんて、ご飯何食べてたのかしら。 毎日お菓子だけだったらそれはそれで楽しいかも・・・」(タミー) 「恋する乙女のたみちゃんも色気より食い気ね。。」(ユキ) 「そんなことないわ! あたし、ナイト様だったらすべてをあげてもいいと思ったもの。」(タミー) 「ちょっ!!たみちゃんたら何という大胆発言を・・・」(ユキ) 「落ち着いて、ユキちゃん。 どうせたみちゃんのことだからポケットの中のお菓子をすべて、とか そんな話に決まってるわ。」(サク) 多勢のきょうだいの中でもまれて育ったサク・ウィズリーの 洞察力は素晴らしかった。 彼女の言う通り、朝寝坊して朝食を食べる暇がなかったタミーは ポケットの中にビスケットを山ほど詰め込んで家を出たのだった。 |
できあがったモンタージュ写真を見て3人は絶句した。 「こっ、これってあのときの、洞窟の中にいた魔女!?」(タミー) 「あれがどれみちゃん達のママだったの・・・?」(ユキ) 「で、でもおかしくない?誘拐されたとか捕われの身とか、そんなふうには見えなかったよ!?」(サク) 「楽しそうに鼻歌歌いながら洋服作ってたし、お菓子まで焼いてた」(ユキ) 「ドアもカギかかってなくて普通に開いたし」(タミー) 「誘拐とか事件とかじゃなかったの?」(サク) 「でも何ヶ月も自分たちを置いて出て行くようなママじゃないってどれみちゃん達が言ってたし。」(ユキ) 「ううううう〜〜〜ん。」3人は頭を抱えた。 「あ、そうだ、うちのママがどれみちゃんママのこと知ってるみたいな口ぶりだった。」(タミー) 「そ、それよ!何か知ってるかも!」(サク) タミーはどれみママの写真を貼り付けた手紙を超特急ふくろう便で送った。 「そうそう、どれみちゃん達に聞いたけど、ママ失踪の直前に変わったことといえば コンテストの予選一次通過の知らせが届いたことくらいだって。」(ユキ) 「母親の手作りドレスを着てファッションショーに出る、っていうやつね。」(タミー) 「優勝者にはでっかいお城がもらえるらしいわ。」(サク) 「じゃ、そのコンテストに出るライバルの妨害とか・・・・」(タミー) 「資料見たけど出場メンバー多過ぎて見当つかないし・・・あ、ふくろう便、戻って来た!!」(ユキ) タミーは手紙を読み始めた。 「タミーへ。 その魔法使いはまじょりんのことだと思います・・・・うんうん。 でもママは魔法学校には行っていないので詳しいことは卒業生に聞いて下さい・・・えっ!? んじゃ元気でね〜〜 ママより。 ・・・・・だ、ダメだ。全然役に立たない。当てにしたあたしがバカだったわ!!!」 ユキ「どれみママの顔も居場所もわかったんだから、明日みんなで行こうよ。」 タミー「そうね。誰にも頼らずあたしたちだけで行こう!」 サク「そしてどれみちゃん達をびっくりさせようー!!」 |