「宮廷犬キャバリアの城」への道 NO.1

〜このHPができるまで〜

    初めは猫を飼うつもりだった
1998年1月21日、13年間共に暮らした猫の新之助を腎不全で亡くし、心にポッカリと穴が開いた私はまた猫を飼おうと思っていた。
残された一太郎もいるのでしばらくはこの子に一人っ子暮らしを体験させてからぼちぼちと猫探しをしようと、雑誌の里親募集コーナーをながめたりしていた。

ちょうどその頃一太郎の予防接種の時期が来て、ふと思いついて血液検査をしてもらう。
先生「残念ながら・・・この子も新ちゃんと同じく腎臓が少し悪いですね。低タンパクのフードに切り替えて腎臓に負担がかからないようにしていきましょう。」

腎臓の機能というのはいったん失われてしまうと取り戻すことができない。
できるのは進行を遅らせること。水分をたくさんとらせてストレスのない生活をさせること。
幸いにも病院で処方された低タンパクのドライフードが気に入ったらしくよく食べてくれる。
この子はこれから一生、病猫食を食べ続けなければならない。

もう、ほかの猫は飼えないな・・・。
新しく若い元気な猫が来て、その子が高タンパクでおいしいものを食べるのを横目で見ながら
一太郎だけが療法食を食べるなんて、そんな可哀相なことはさせられない。
それ以前にズボラな私は猫別にゴハンを変えるなんて面倒なマネができそうもない。
新入り猫を迎える計画はここで挫折した。

  川越育ちのお芋好き♪ 新之助。享年13歳。性格おっとり。行動ゆったり。体格どっしり。

   今なら犬が飼える?
いわゆるペットロスというのか、もともと寝つきが悪いうえに夜中に何度も目が覚め、ほとんど眠れぬまま朝を迎える日が多くなってきた。眠くもないのにベッドにただ横たわっているのは辛い。

いっそ外に出て明け方の空気を吸ったほうがよっぽど健康的で、疲れて夜眠れそうだ。
でも一人で歩くのはちょっと・・・。
「そうだ!犬と一緒に歩けばいいんだ!!それにそれに・・・今の私になら犬が飼えそうだ!!」

私は典型的な夜型人間。夜はめっぽう強いが朝はとことん弱い。休日は昼近くまで寝ている。
夏は強いが冬は大の苦手。猫型のインドア派。家の中でゴロゴロが好き。
いつかは犬を飼いたいと思いつつ、朝起きられないのが最大のネックだった。
毎日欠かさず犬を早朝散歩させるなんてとうてい無理。年寄りになって早起きする体になったら飼おう。でも、ほんものの年寄りになったら体力がなくて飼えないしなあ。
でも、今のこの状態なら飼えるぞ・・・・!!!

    犬探し
そんな訳で私は犬探しをすることした。
保健所から犬を引き取りたいと思ったけれど、初めて犬を飼う人間にはあまり勧められない、純血種のほうがいいということがいろいろな本に書かれてあった。
将来どんな大きさのどんな性質の犬になるかがわかっている方が初心者には育てやすいという。
確かに引き取ってみてやはりダメでしたなどと無責任なことはできない。
お金で生き物を買うことにはかなり抵抗があったけれど・・・。

亡くなった新ちゃんのようにどっしり大きくおおらかな犬が欲しいと思った。
外から疲れて帰ってきたら玄関で「キャン!」ではなく「ウォン!」と迎えてくれる大きな犬。
セントバーナードやゴールデン、ハスキーのようにでっかい落ち着いた犬と暮らしたい。
でも狭い我が家ではとても無理だから、中型犬を探そう!!

中型犬となれば柴、シェルティー、ビーグルあたりか・・・
ビーグルは鳴き声が大きいしシェルティーは繊細らしいのでこちらが逆に気をつかうかも・・・
「やっぱ日本人なら柴犬だね♪」私は勝手にそう決めて柴犬との暮らしを思い描いた。

    柴は・・・?
探しているときに限って犬にめぐり会えない。
お隣が犬を飼い始めた。真っ白なマルチーズの男の子。
何度も見に行くうちに、たまらなく犬が欲しくなった。早く私も犬と暮らしたい〜!!
電話帳で近くにあるペットショップや動物商を探す。自宅から車で7分くらいのところにあった。
柴犬のブリーダーさんらしい。
「見るだけだから」とダンナに頼んで車で連れて行ってもらう。
入ったとたんダンナが言った。「あれ何だろう?可愛いなあ。」茶色と白の小さな犬が2匹。
何だか珍しい犬だ。ブリーダーさんに尋ねると「キャバリアですよ。」へっ!?キャバリア???
見たことも聞いたこともない。キャバリアの成犬の写真を見せてもらう。
ダンナ「いいんじゃない!?」私「ヘンな犬・・・」
普段めったに「可愛い」という言葉を発しないダンナが「可愛い!」と言ったくらいだからとても気に入ったらしい。ブリーダーのオジサンにいろいろ質問してすっかり飼う気になっている。
「あの茶色の多い大きくて元気なほうにしよう。」私「ち、ちょっと待ったぁ〜!!」
ここは柴犬のブリーダーさんの家じゃないの〜?
しかしブリーダーさんはあまり我々に柴は売りたくないみたいだった。とっても血統のいい、相当高価な柴を繁殖しているらしい。「柴は誰にでもなつく犬ではないから・・・」とも。
姉妹で暮らしてたのよ! 1998年6月21日。タミー生後40日。毛色がまだ薄い。

     洋犬・・・?
何だか違う。私が思い描いていたイメージと全然違う。
犬ってもっと・・・鼻すじが通って耳がピンと立っていて、つぶらな瞳でキュンキュンと鳴いて
背中に哀愁が漂っていて、夕陽にむかってオオ〜ンと鳴くような・・・
それなのにこの犬は目玉がギョロギョロでかくて耳が垂れていて鼻ペチャで、口元がたるんでいて哀愁のかけらもなさそうで・・・
でも室内でも外でも飼えるというし美容院でのお手入れも不要、10キロ前後になるとかでこちらの望む条件にピッタリ。
体重が7キロ以上、というのが最低の条件だった。新ちゃんが7キロの大猫だったからそれ以上でないと犬と思えないからというのがその理由。
だから小型犬は初めから除外。外で飼うつもりだったし、愛玩犬を抱っこしたりひざに乗せて可愛がる趣味もないし、抱いたり一緒に寝たりは猫にするものと思っていた。

ウン百万円もする柴は飼えないし、大幅な軌道修正を迫られることになった。
これまで猫に花子、新之助などという純和風の名前をつけてきたダンナが実は洋犬を飼いたいと思っていたことも初めて知った。そういう趣味だったのか〜〜!!

    顔より性格、より値段?   
とりあえず他の犬も見てみようということでブリーダーさんちを後にする。
本屋に行きキャバリアについて立ち読みして情報を集める。
性格は陽気でフレンドリーで初心者向きで飼いやすく、穏やかで犬でも猫でも誰とでも仲良くできる。
うーん。性格は良さそうだな。抜け毛の多さを除けば長所ばっかり書いてある。
隣にペットショップがあるのでのぞいてみる。そこにちょうど入荷されたばかりのキャバリアがいた。
「じゅ・・・じゅうはちまんえん・・・!?」18万円もする犬なのか・・・た、高いよ〜!!
さっきブリーダーさんちで見たのはその半分以下の値段だった。こりゃすごーくお得かも・・・
「安い」「半額」という言葉に弱い私は激しく心が動く(笑)。

でもなあ・・・あの顔がなあ・・・私の趣味じゃないし・・・洋犬ならボーダーコリーとかシェルティーとか
コーギーみたいなハッキリした顔立ちの鼻すじの通った子がいいなあ・・・
でもあの子は安くて「お買い得」だし、何より一太郎と仲良くできそうだし、びびりニャンコの一太郎も
あれならあんまり脅威を感じずに暮らせそうだしなあ・・・・
それから一週間、なおもいろいろペットショップを回り本を読み、頭がはげそうになるほど悩んだ末
キャバリアの子を飼うことに決めた。

 ママの審美眼のほうが問題ね。。 「何よ。この顔が気に入らないわけ?」すでに立派な眉毛があった・・・。