連載笑説「タミー・ポッターと秘密の衣裳部屋」(後編)

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「脱出!!」
どこにポケットがあったの?(笑) 首をブルブルと振って頭の上のティアラを払い落とし
タミー・ポッターはよろよろと起き上がった。
「よ、よーし。こうなったら・・・・・・・」
「マハリークマクマクマクマガンバラニャンニャンニャン!!!」
ポケットから魔法の杖を取り出して叫んだ。
足元にあった小物やハギレがすべてクマのぬいぐるみに変身した。「ズボラーチェーンジ!!」
両手を大きくグルグル回しながら呪文を唱えると、すべての洋服をクマのぬいぐるみ達が身につけた
最後にサク・ウィズリーやコサク、ユキーマイオニーの着ていた服もはがされクマの体に着せられた。
タミー「さあ、これで着る服は全部なくなったわ。一刻も早くここを出ましょう!!」
部屋を出ようとした4人だったが「あ、ちょっと待って!」サク・ウィズリーが足を止めた。
サク「チィーサクサクサクナレ〜〜!!」
洋服を着たクマのぬいぐるみがどれも高さ1センチ程度の小さなサイズに変わった。
サク「これで次に誰かがうっかりこの部屋に入っても大丈夫よ。ネズミだって着られないわ。」


「もうひとりの魔女」
ようやくコスプレの魔法から開放され秘密の部屋から出た4人だったが・・・
ドアから出ると再び魔女ナビがpipipipi・・・・と鳴った。
「私達以外にも魔女がここにいるの・・・・?」
衣裳部屋の隣のドアからかすかに光が漏れている。4人はそーっとドアを開けて中をのぞき込んだ。

長い黒髪の女性の後姿が見え、部屋にはケーキを焼いているような甘い香りが漂っている。
女性はカタカタとミシンを踏みながらときおり杖を宙に振り上げ、型紙に合わせて布を裁断していた。
「ら〜ららら〜♪」タミー達が聞いたこともないような歌を口ずさんでいる。

「ヘ・ヘ・ヘーックシュン!!!!」風邪が治りきっていなかったサクがでっかいクシャミをした。
ユキ「し、しまったー!!」魔女がこちらに気づきつかつかと4人の前にやってきた。
手には洋裁用のメジャーを持っている。4人の姿を見てニコーッと笑った。
逃げようと思いながら4人は凍りついたように足が動かない。
「ふぅぅぅぅぅぅんぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!!!!」ユキーマイオニーが変な叫び声をあげた。
それを合図に4人はいっせいに洞窟の出口へと走り出した。
「こわい〜!!!」「待ってー!!」「早くぅ〜〜」「急げーー!!!」
もう足が動かないと言っていたコサクが誰よりも早く先頭をきって走っていた。


「タミー・ポッターの秘密」
4人はサク・ウィズリー家で少し遅めの夕食をとっていた。
「さっきは怖かったねー。」「あの魔女はなんなの!?」「洋裁をする魔女?」
「あの魔女が服を作ってたのね。あやうく採寸されて服を作られるところだったわ。」
ユキ「え?あの部屋にあった服のサイズでぴったりだったよー?」

コサク「お姉ちゃん達、今日は助けてくれてありがとう。ひとつ聞いていい?
    どうしてタミーお姉ちゃんだけコスプレの魔法がかからなかったの?」
タミー「(ギクギクギクーッ!!!)そ・・・それは・・・(汗)」
サク「それに着替えの魔法なんてよく知ってたね。あれは高学年で習うやつでしょ?」
タミー「あ、あれはうちに居候してるニャンベルドア先生に教わったの。
    冷え症のママが冬の着替えが寒くて何とかせー!と毎日わめいてたから。」

実は年末年始に食っちゃ寝食っちゃ寝していたタミー・ポッターはすっかり太ってしまい
衣裳部屋にあった洋服がきつくて入らず魔法が中途半端にしか効かなかったのだ。
服はどれもユキーマイオニーにピッタリのサイズでコサクには大きかった。
ユキより大柄のサク・ウィズリーは風邪でやつれていたためすんなり入り
帽子でさえちゃんとかぶれず頭が痛くなったタミー・ポッターが一番太っていた。
タミー「こんなこと、みっともなくて言えない・・・・。」
いもむしゴロゴロ・・・
い、息ができん・・・!!

罰ゲームか・・・?
ボタンがちぎれるう〜!!


「パピヨンのサンバ」
夜遅く自宅に戻ったタミー・ポッターは台所で夜食を食べていた。
「ああ・・・今日は疲れた・・・今日のことはママには黙っていよう。
話したらきっと「ズボラは身を助く」とか「デブは三文の得」とか得意げに言うに決まってるもの。
はああ。それにしても新学期までになんとか痩せなくちゃだわ。(モグモグ・・・・)」

そばで洗い物をしている母が調子っぱずれの鼻歌を口ずさんでいる。
「ら〜ららら〜♪」タミーはその歌に聞き覚えがあった。

タミー「ねえママ、その歌なあに?」
母「えー?知らないの?昔すごく流行った「白いパピヨンのサンバ」よ。
  ♪あなたに抱かれて私はパピヨンに〜♪」
タミー「変な歌・・・。まてよ、そしたらママと同年代ってこと・・・?
    ママ・・・まさかとは思うけど、洋服を作るのが得意でお菓子を焼く魔女を知ってる?」
母「ああ、まじょりんのこと?」
タミー「えーーーーーーっ!?」
うーん。
食った食った。
ダイエットはどうした?
食後のおやつは
これにしよう〜♪





数々の疑問を残しつつ、次章に続く〜(^o^)丿